偏差値30からの生物基礎まとめ

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生態系は変化しながらもバランスを保っている 【第34回】生態系のバランス

生態系のバランス

 前回は、生態系の中で、全ての有機物に含まれる炭素(C)と、タンパク質やDNAなどの核酸に含まれる窒素(N)がどのように循環しているのか、またエネルギーはどのように流れて行くのかを学習しました。

 生態系の中の生物の種類や数は絶妙なバランスを保っています。今回は、生態系のバランスがどのように保たれているのか見ていきましょう。

 

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個体数の生態ピラミッド

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 まず、生態系の中の生物の種類と個体数の関係を見てみましょう。図は、生態系の生物を食う食われるの順に示したもので、個体数の生態ピラミッドと言います。

 

 生態ピラミッド一番下の段にくるのは生産者です。生産者とは光合成によって有機物を作り出す植物などのことで、生態系を支えている存在です。

 

 その上の段にくるのが、一次消費者です。一次消費者は植物を食べている動物などのことです。さらに一次消費者を餌にする二次消費者、二次消費者を餌にする三次消費者と生態ピラミッドの上の段に行くにしたがって、順番に個体数が少なくなっていきます

 

ウサギとヤマネコの個体数の変化

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 生態系の中の生物の個体数は常に一定ではありません

 グラフは、一次消費者であるウサギと、そのウサギを餌にしている二次消費者のヤマネコ個体数の変化を示しています。

 のウサギが増えると、少し遅れてのヤマネコが減り、逆にウサギが増えると、少し遅れてヤマネコが増えるということが分かります。

 

個体数の変化

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 一般に、生産者が増えると、一次消費者が増え、二次消費者も増えます。

 逆に、生産者が減ると、一次消費者が減り、二次消費者も減ります。

 

復習)食物網

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 食物網の中では、それぞれの生物同士の間に、食う食われるの関係があり全体のバランスが保たれていました。

 生物の多様性が高い生態系では、ある生物が減っても、他の生物が変わりを果たすので生態系が保たれるのです。

 しかし、生態系の上位の生物がいなくなってしまうと、生態系に大きな影響を与えてしまうことがあります

 

キーストーン種

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 例えば、ある海岸の磯を例にあげてみます。ここには、海藻、ヒザラガイ、カサガイ、フジツボ、イボニシ、イガイ、カメノテ、ヒトデなどの生物が生息しています。図の矢印は、食う食われるの関係を示しています。ヒトデは様々な貝類を食べますが特にフジツボやイガイをよく食べます。

 

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 この磯場から、ヒトデを取り除くとどうなるでしょうか。

 

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 まず、食べられなくなったフジツボが一気に増殖します。

 

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 すると海藻が生える場所が無くなり、減少します。すると、食べるものがなくなったヒザラガイ カサガイも減少します。また、住むところが無くなったイボニシ、カメノテもいなくなってしまいます。

 

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 その後、イガイが徐々に増加していき、最終的にフジツボもいなくなってしまいます。このように、生態系のバランスが大きく崩れてしまうのです。

 

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 つまり、食物連鎖の上位にあるヒトデは、この磯場の生態系のバランスを保つために欠かせない種であると言うことができます。

 この磯場のヒトデのように、生態系のバランスを保つために欠かせない生物種のことを、キーストーン種と言います。

 

かく乱

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 生物の個体数の変化以外に、環境の急激な変化も生態系のバランスを崩してしまう要因となります

 例えば、火山の噴火山火事洪水などの自然災害や、森林伐採埋め立てなどのような人間の開発活動などがあります。

 このように生態系のバランスを崩す作用のことをかく乱と言います。

 

復元力

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 写真では、切り株から新芽が出ているのが分かります。

 かく乱は、生態系のバランスを崩す要因となりますが、このように小規模なものであれば、生態系は元に戻ります。また、場合によっては、さらに豊かな生態系が出来上がることもあります

 このように、かく乱された状態から生態系が元の状態に戻ろうとする力を復元力と言います。

 

 生態系は自分たちが思っている以上にたくましく、そしてもろいものなのですね…

 

 以上です。お疲れ様でした。