偏差値30からの生物基礎まとめ

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物質は循環する、エネルギーは流れる 【第33回】物質の循環とエネルギー

 生物の体を構成している成分で最も多いものはでしたが、2番目に多い成分は、動物の場合はタンパク質植物の場合は炭水化物です。そして、タンパク質や炭水化物は炭素(C)という原子が中心となって構成されています。つまり、生物は、炭素(C)を中心に構成されているということができます。

 生態系の中では、生物同士は食う食われるの関係によって複雑な食物網を形成していました。今回は、生態系の中で、全ての有機物に含まれる「炭素(C)」と、タンパク質やDNAなどの核酸に含まれる「窒素(N)」がどのように循環しているのか、またエネルギーはどのように流れて行くのか見ていきましょう。

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⑴炭素循環と窒素循環

炭素循環

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 まず、炭素の流れを見ていきましょう。動物は、植物や植物を食べた動物を食べることで炭素を得ています菌類や細菌類は、生物の遺体や排出物から炭素を得ています

 一方で、植物は、光合成によって、大気中の二酸化炭素から炭素を取り込んでいます。炭素は大気中の二酸化炭素から供給されているのです。

 つまり、炭素は大気から植物へ、植物から動物へ、そしてそれらの遺体や排出物から菌類や細菌類へと移動しています

 そして、植物のように、光合成によって大気中の二酸化炭素から有機物を作る生物を生産者生産者の作った有機物を利用する生物を消費者生物の遺体や排出物を二酸化炭素などの無機物に分解する生物を分解者と言います。また、生物に取り込まれた炭素は、呼吸によって再び二酸化炭素として大気中に放出されています。

 このようにして、炭素は、生態系の中を循環しているのです。

 

窒素循環①生物由来の窒素の場合

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 次に、窒素の循環を見ていきましょう。まず、生物由来の窒素がどのように流れていくか確認します。炭素の場合と同じように生産者から消費者、分解者へと流れていくのは同じですが、植物をはじめ、多くの生物は大気中の窒素を利用することができません

 そこで、重要な役割を果たすのが、分解者です。生物の遺体や排出物には、窒素が含まれていますが、分解者である細菌などがアンモニウムという窒素化合物を作ります。また、硝化細菌は、アンモニウムを吸収し、硝酸塩という窒素化合物を作ります。

 そして、植物が、これらの生物が作り出したアンモニウム硝酸塩を根から吸収しているのです。

 

窒素循環②大気中の窒素の場合

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 大気中の約78%は窒素ですが、先に述べた通り、多くの生物は大気中の窒素を利用することができません

 一方で、例外的に大気中の窒素を利用することができる生物は窒素固定細菌と呼ばれます。窒素固定細菌には、マメ科植物と共生関係にある根粒菌や、シアノバクテリアの仲間であるイシクラゲなどがあります。根粒菌について、詳しくはこちら

 一方で、土壌の中には、硝酸塩を窒素に変えて再び大気中に戻す細菌も存在します。

 このようにして、窒素も生態系の中を循環しているのです。

 

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⑵エネルギーの流れ

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 物質である炭素や窒素は生態系の中を循環していましたが、エネルギーはどうでしょうか

 エネルギーのおおもとは太陽の光エネルギーであり、生産者である植物が光合成によってこれを有機物に蓄え、化学エネルギーに変換します。そして、化学エネルギーを取り込んだ有機物は、消費者や分解者へと受け渡されていきます

 一方で、生物が用いる化学エネルギーは、生物が活動する過程で、少しずつ熱エネルギーとして放出されていきます。放出された熱エネルギーは、宇宙空間へと出て行ってしまいます。

 つまり、エネルギーは生態系の中を循環せず、一方向に流れていくのです。

 

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 以上です。お疲れ様でした。