偏差値30からの生物基礎まとめ

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森林ができるまで【第30回】植生と遷移

植生と遷移

 前回は、ある地域に生息する生物の集団と、その周りの環境をまとめた全体のことである生態系において、植物がどのような役割をしているのか学習しました。中でも森林は階層構造を作り、生物の多様性が高い場所の一つでした。

 今回は、森林ができるまでの過程をたどっていきましょう

 

 

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植生の遷移

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 植生とは、ある地域に生息する植物のまとまりのことです。また、遷移とは移り変わることです。つまり、植生の遷移とは、ある場所に生息する植物の種類が時間の経過とともに、変化していくということです。

 

森林のでき方

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 十分な気温降水量がある地域では、植生が遷移していくと、最終的に森林ができます。日本は、十分な気温と降水量があるため、国土のおよそ2/3が森林となっています。

 何も生えていない土地を裸地と言いますが、このような土地でも、日本ではほとんどの場合、数百年で森林となります。

 

植物の生育に必要な要素

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 では、植物が生育するために必要な要素を見ていきましょう。植物が生育するためには、温度の他にも日光空気、そして栄養素が必要になります。栄養素については、特に窒素リンカリウムが重要な栄養素となるため、これらは植物の三大栄養素と呼ばれます。

 

一次遷移

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 それでは、植物の生育に必要な要素に着目しながら、植生の遷移を見て行きましょう。例えば、火山が噴火して溶岩によって覆われた土地のように、土壌の無い裸地から始まる遷移のことを一次遷移と言います。

 

一次遷移⑴地衣類・コケ植物

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 土壌のない裸地では、水分や栄養分が少ないため、植物の生育には適していません。しかし、溶岩の表面には、コケ植物地衣類などが見られます。これらは背丈が低く、小さいため、少しの栄養素があれば生育することができます。

 

一次遷移⑵草原

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 コケ植物地衣類などが生育していた土地では、これらが腐り、土壌ができ始めます。このような土地ではススキなどの草本が入り込み、草原を作ります。

 

一次遷移⑶低木林

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 ススキなどの草原ができると、これらが腐り、さらに土壌が豊かになります。すると、草本よりも背丈の高いヤシャブシなどの低木が生育することができるようになります。低木はススキなどの草本よりも背丈が高いため、日光を得るのに適しています。よって、ススキとの生存競争に勝ち、低木林ができるのです。

 

一次遷移⑷陽樹林

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 低木林が腐り、さらに土壌が豊かになると、日当たりの良い環境でよく育つ陽樹が入り込んできますクロマツなどの陽樹は低木よりも背が高いため、より日光を得るのに適しています。よって、低木との生存競争に勝ち、陽樹林ができます。

 

一次遷移⑸陽樹・陰樹の混交林

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 陽樹林ができるとそこに陰樹が入り込み、陽樹と陰樹の混交林ができます陰樹とは、日当たりの良くない環境でも育つ樹木のことです。

 陽樹の森林ができると、林床に光があまり届かなくなるため、陽樹の種子が育ちにくくなります。一方で、陰樹は日当たりが良くない場所でも育つことができるので、次第に陰樹の数が多くなってきます

 

一次遷移⑹陰樹林

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 そして、最終的には、陰樹林ができます。こうなると、それ以上植生の遷移が見られなくなります。このように、それ以上植生の遷移が大きく進まない状態を極相と言います。

 

二次遷移

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 例えば、山火事や台風などの自然災害によって草原や森林が無くなってしまっても、土壌は残ります。このように、土壌がすでにできている場所から始まる遷移のことを二次遷移と言います。二次遷移は土壌の中に種子や地下茎が残っているため、一次遷移に比べて遷移が速く進行します。

 

ギャップ

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 陰樹の極相となっている土地でも遷移が起こることがあります。例えば、台風などによって樹木が倒れると林床に光が差し込む場所ができますが、このような場所をギャップと言います。ギャップができると、林床まで光が届くため、草本や、陽樹が生育することができるようになります。

 このように、極相林では部分的な破壊と再生が繰り返され、植物の種類がモザイク状に入り混じっていることが多いのです。

 

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 以上です。お疲れ様でした。