偏差値30からの生物基礎まとめ

生物基礎の解説を行いながら、高校生、受験生の学習をサポートするブログです。丁寧に解説しているので学び直しや初学者にも最適です。

みんなちがって、みんないい 【第29回】生態系の中での植物

生態系の中での植物

 私たちの身の回りには様々な生物が存在していますが、その中でも植物は、どのような役割を持つのでしょうか。今回は、生態系の中で植物がどのような役割をしているのかを見ていきましょう。

 

f:id:shimasensei:20180319175152j:plain

 

生態系

f:id:shimasensei:20180319175139j:plain

 生態系とは、ある地域に生息する生物の集団と、その周りの環境をまとめた全体のことです。

 図を見てください。環境の要素は生物的環境非生物的環境の2つに分けることができます。

 まず、生物的環境とは、ある生物に影響を与える他の生物のことです。例えば、カエルはバッタを食べますが、ヘビには食べられてしまいます。このようにお互いに影響を与えあう生物を生物的環境と言います。次に、非生物的環境とは、光、空気、温度、土壌、水などのことです。

 このように、生物的環境と非生物的環境が互いに関係して一つの生態系をつくっています

 

復習)食物連鎖

f:id:shimasensei:20180319175428j:plain

 中学校で勉強した、生物の食う食われるの関係のことを食物連鎖と言いました。図では、バッタはカエルに食べられ、カエルはヘビに食べられます。

 

食物網

f:id:shimasensei:20180319175507j:plain

 しかし、実際の生態系の中では、このように食うか食われるかという生物同士の関係は、一本の鎖のように単純なものではなく、複雑に絡み合っています。そのため、生物同士の食うか食われるかの関係を「食物網」と言うようになりました

 図にはたくさんの生物が描かれていますが、図の矢印は、食べられる生物から食べる生物へ伸びています。例えば、ウサギは草本を食べますが、ヘビや大型の鳥に食べられるということです。

 このように、実際の生態系の中では食う食われるの関係は複雑に絡み合っているのです。

 

食べ物のおおもとは何か

f:id:shimasensei:20180319175605j:plain

 それでは、この生態系の中で、食べられるもののおおもとになっているのはなんでしょうか。矢印を逆にたどってみましょう。例えば、ウサギは草本を食べます。カエルはミミズを食べ、ミミズは落ち葉を食べます。また、カエルは昆虫も食べ、昆虫は、草本や葉や実を食べます。

 というわけで、矢印を逆にたどると最終的には植物にたどり着きますこのように生態系の中で、食べ物のおおもととなり、ほかの生物を支えているのは植物であるということができます。

 

生態系の中で生物がいなくなったら

f:id:shimasensei:20180319175700j:plain

 例えば、生態系の中からウサギがいなくなってしまったら他の生物にはどのような影響が現れるでしょうか。ウサギがいなくなると、ウサギを食べるヘビや大型の鳥が減少してしまいます。また、ウサギが食べていた草本は増加すると考えられます。

 

f:id:shimasensei:20180319175759j:plain

 しかし、それだけでは終わりません。草本が増えると、それを食べる昆虫が増え、それを食べる小型の鳥類も増加します。さらに、落ち葉が増えて、それを食べるミミズやカエル、ネズミも増加します。そうすると、一旦減少したヘビや大型の鳥類も増加していくと考えられます。

 このように、生態系は、生物同士のつながりが複雑であればあるほど修復されやすいということができます。そのため、「みんなちがって、みんないい」という金子みすゞさんの詩のように、生態系の安定には、「生物の多様性」が非常に重要なのです。

 

森林と草原どちらが生物多様性が高いか

f:id:shimasensei:20180319180106j:plain

 それでは、図を見てください。森林草原では、どちらが生物の多様性が高いと言えるでしょうか。

 一般的には、森林の方が生物多様性が高いと考えられています。それでは、どうして森林の方が生物多様性が高いのでしょうか。

 

森林の階層構造

f:id:shimasensei:20180319180146j:plain

 豊かな森林には、様々な高さの木が生えていて、地面にも色々な草が生えています。このような環境ではどのような特徴があるのでしょうか。3つに分けて考えましょう。一つ目は、場所によって光の当たり方が違うということです。これによって、明るい場所や暗い場所ができ、多様な生物が住むのに適した明るさが提供できます。二つ目は、つける葉や実の種類が多いということです。これによって、様々な生物の食料が確保されます三つ目は、様々な高さの木があるということです。これによって、空間が立体的になり、生物の住処が豊富にできます

 このように、よく発達した森林では、様々な高さの植物が層を作っており、これを森林の階層構造と言います。つまり、森林は動物にとっても植物にとっても様々な環境があるため、より複雑なつながりを持った生態系ができるのです。

f:id:shimasensei:20180319180325j:plain

f:id:shimasensei:20180319180340j:plain

 以上です。お疲れ様でした。