偏差値30からの生物基礎まとめ

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免疫の仕組み③ 【第26回】体液性免疫

体液性免疫

 前回は、適応免疫のうち、ウイルスなどの病原体が細胞内に侵入した際にはたらく細胞性免疫の仕組みを確認しました。今回は、ウイルスなどの病原体が体内で増殖した時にはたらく体液性免疫の仕組みを見ていきましょう。

 

 

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⑴抗体

第三段階

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 免疫の第三段階は、食作用だけで処理しきれなくなった病原体を処理する仕組みです。今回は、体液性免疫に着目します。体液性免疫では、「抗体」が重要な役割を持っています。

 

抗体とは何か

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 抗体とは、リンパ球のうち、B細胞が作るタンパク質のことです。抗体の先端には、病原体の一部である抗原と結合する部分があります。

 

抗原抗体反応

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 病原体はそれぞれ異なる抗原を持っていました。そのため、抗体も、それぞれの病原体の抗原に合わせてたくさんの種類のものがあります。そして、病原体の抗原抗体が結合することを、抗原抗体反応と言います。

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 抗原抗体反応では、たくさんの抗原と抗体が結合して塊になります。

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⑵体液性免疫

体液性免疫細で主にはたらく免疫細胞

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 体液性免疫とは、B細胞がつくる抗体という物質によって病原体を排除する仕組みのことです。体液性免疫で主にはたらく免疫細胞は「樹状細胞」「B細胞」「ヘルパーT細胞」です。

 

体液性免疫の仕組み

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 体液性免疫では、まず、①樹状細胞が病原体を取り込みます。すると②病原体の抗原が樹状細胞の表面に出てきます。ここまでは細胞性免疫と同じです。

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 次に、③樹状細胞リンパ節に移動し、ヘルパーT細胞を探します。そして④樹状細胞が提示している抗原と結合するヘルパーT細胞活性化し、増殖します。

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 一方で、⑤B細胞抗原を取り込みます。⑥活性化して増殖したヘルパーT細胞によって、抗原を取り込んだB細胞活性化します。

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 ⑦活性化されたB細胞が増殖し、抗体産生細胞になります。そして、⑧抗体産生細胞抗体を産生し、分泌します。

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 ⑨抗原抗体反応によって抗原と抗体が結合し、塊を作ります。⑩これをマクロファージ食作用によって取り込み、処理します。

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⑶免疫記憶

免疫記憶の仕組み

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 一度感染した感染症にはかかりにくくなります。これは、免疫記憶という仕組みがはたらくためです。免疫記憶の仕組みを見ていきましょう。

 ①体液性免疫活性化し、増殖したB細胞の一部は、「記憶細胞」として体内に残ります。

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 ②同じ病原体が再び体内に侵入すると、記憶細胞が活動します。これによって、③素早く大量に抗体を産生することができます。

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 免疫記憶では、B細胞だけでなく、ヘルパーT細胞や、細胞性免疫で活躍したキラーT細胞なども記憶細胞として体内に残ります

 このように、記憶細胞が体内に残るため、一度感染した感染症にはかかりにくくなるのです

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 これまで3回にわたって免疫について学習してきましたが、免疫の仕組みはこのように段階的にはたらくことによって、私たちの体内環境を守っているのです。

 

以上です。お疲れ様でした。