偏差値30からの生物基礎まとめ

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免疫の仕組み① 【第24回】自然免疫

自然免疫

 前回までは、自律神経ホルモンが協調して行う体内環境の調節について確認してきました。私たちは、様々な病気の原因となる細菌やウイルスなどの病原体から体を守る免疫という仕組みを持ちます。今回は、免疫の仕組みをみていきましょう。

 

 

 

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⑴免疫と病原体

病原体

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 まず、病気の原因となる病原体の種類について確認しましょう。病原体には細菌寄生虫ウイルスタンパク質などがあります。例えば、水虫は菌が、結核は細菌が、夏に多い食中毒は細菌が、冬に多い食中毒はウイルスが関わっています。主に海外などで深刻な問題となっているマラリアは、蚊が媒介する寄生虫が原因です。また、以前大きな問題となったウシの病気であるBSEプリオンというタンパク質が原因で起こるとされています。

 このように、病気の原因となる病原体には様々なものがあり、常に私たちの身の回りに存在しているのです。

 

免疫

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 免疫とは、病原体などに対する生物の防御反応のことです。免疫には、いくつかの段階がありますが、大きく自然免疫と、適応免疫に分けられます。自然免疫はさらに物理的防御化学的防御食作用に分けられ、適応免疫細胞性免疫体液性免疫に分けることができます。

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 自然免疫とは、ヒトが生まれながらに備わっている免疫の仕組みのことです。一方で、適応免疫とは、病原体が体内に侵入してから獲得される免疫の仕組みで、獲得免疫とも呼ばれます。

 

免疫は段階的にはたらく

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 病原体の排除の仕組みは、大きく3つの段階に分けることができます。第一段階の物理的防御化学的防御は、体内に病原体が入ってくるのを防ぐ仕組みです。第二段階の食作用は、体内に侵入した病原体をとにかくやっつける仕組みです。第三段階の細胞性免疫体液性免疫は、食作用だけで対応できなくなった場合にはたらく仕組みになっています。

 今回は、自然免疫である第一段階と第二段階について詳しく見ていきます

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⑵自然免疫

第一段階

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 第一段階は、体内への病原体の侵入を防ぐ仕組みです。

 

第一段階①物理的防御

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 物理的防御とは、その名の通り、体内への病原体の侵入を物理的に防ぐ仕組みです。例えば、皮膚の表面には、死んだ細胞である角質層があり、これがバリアとなって簡単に病原体が侵入できないようになっています。また、せきくしゃみなども物理的防御の一つです。

 

第一段階②化学的防御

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 目や鼻、消化管などの粘膜には、角質層がありません。このような場所では、化学物質を分泌して、病原体の侵入を防いでいます。例えば、胃液強酸性になっていて、侵入した病原体を殺菌しています。また鼻水には、リゾチームという酵素が含まれており、病原体が侵入する前に殺菌します。

 このように、化学物質によって病原体が体内に入ってくるのを防ぐ仕組みを化学的防御と言います。

 

第二段階

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 第一段階の物理的防御や化学的防御を突破してきた病原体を処理する仕組みです。

 

食作用

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 体内に侵入した病原体は食作用によって処理されます。食作用とは、白血球の一種である食細胞が病原体を取り込んで分解する仕組みです。

 

食細胞

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 食細胞には様々な種類がありますが、主なものは好中球マクロファージ樹状細胞などです。

 

参考)食細胞が病原体を認識する仕組み

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 食細胞は、どのようにして病原体を見分けているのでしょうか。

 好中球やマクロファージなどの食細胞の細胞表面は、「レセプター」という構造があります。これは、病原体の表面についている「抗原」という物質と形がピッタリ合うように作られています。

 食細胞は、レセプターと抗原が結合した時に、それを病原体と認識して食作用で処理するのです。

 また、食細胞は、病原体などが侵入した部分の血管を拡張させ、血液中の食細胞を集める仕組みも持っています。血管が拡張した部分は赤く腫れ上がりますが、これを「炎症」と言います。炎症が起こっている部分では、食細胞が集まって病原体を処理しているのです。

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以上です。お疲れ様でした。