偏差値30からの生物基礎まとめ

生物基礎の解説を行いながら、高校生、受験生の学習をサポートするブログです。丁寧に解説しているので学び直しや初学者にも最適です。

自律神経とホルモンの共同作業 【第23回】血糖値の調節

血糖値の調節

 前回までに、無意識的に体内環境を調節する自律神経とホルモンのはたらきについて学びました。

 血糖値は、こうした自律神経やホルモンが協調して調節しています。今回は、自律神経ホルモンのはたらきに着目して、血糖値の調節の仕組みをみていきましょう。

 

 

 

f:id:shimasensei:20180310083903j:plain

 

復習)血糖値

f:id:shimasensei:20180310084412j:plain

 血糖値とは、血液中のグルコース(ブドウ糖)の量のことです。ごはんやパンに含まれるデンプンという物質は、胃や腸で消化され、グルコースという物質となり、血液中に吸収されます

 

食事と血糖値

f:id:shimasensei:20180310084446j:plain

 このグラフは、食事前と食事後の血糖値の変化を示したものです。食事前は血液100mLあたり、血糖は90mg程度で安定しています。これが食事を取ることによって上昇し、1時間後には140mgを超えました。しかしその後減少し、2時間半後には100mgになりました。このように、血糖値は、食事の前後で変化しますが、血液100mLあたり、グルコースが100mg程度になるように調節されています。

 

復習)肝臓のはたらき①血糖値の調節

f:id:shimasensei:20180310084607j:plain

 では、どのようにして血糖値は調節されているのでしょうか。肝臓のはたらきを思い出してください。肝臓では、食事によって血糖値が高くなると、グリコーゲンを合成してグルコースを貯蔵するはたらきがありました。一方で、食事から時間がたち血糖値が低くなると、グリコーゲンを分解して再びグルコースを血液中に戻します。このはたらきによって血糖値が安定するのです。

 では、肝臓ではどこからどんな指示を受けて血糖値の調節を行っているのでしょうか。

 

復習)血糖調節に関わるホルモン

f:id:shimasensei:20180310084715j:plain

 血糖値を下げるホルモンであるインスリンは、血糖値を下げる唯一のホルモンで、すい臓から分泌されます。

 血糖値を上げるホルモンは3種類あります。①グルカゴンすい臓から分泌されます。②アドレナリン副腎の髄質から分泌されます。③糖質コルチコイド副腎の皮質から分泌されます。

 

血糖値を下げるホルモンのはたらき

f:id:shimasensei:20180310084813j:plain

 血糖値を下げるホルモンであるインスリンは、すい臓から分泌されます。肝臓に作用し、血液中のグルコースからグリコーゲンを合成させることで、血糖値を下げます。また、筋肉にも作用し、同じようにグリコーゲンを合成させることで、血糖値を下げます

 

血糖値を上げるホルモンのはたらき

f:id:shimasensei:20180310084852j:plain

 血糖値を上げるホルモンのうち、すい臓から分泌されるグルカゴンや、副腎髄質から分泌されるアドレナリングリコーゲンを分解させ、グルコースを作らせることで血糖値を上げます。一方で、副腎皮質から分泌される糖質コルチコイドは、筋肉などに作用し、タンパク質から糖を合成させ、血糖値を上げます

 

フィードバック調節

f:id:shimasensei:20180310085123j:plain

 それでは、これらの内分泌腺にホルモンを作る指示を出しているのは一体どこなのでしょうか。血糖値の調節のおおもとは間脳の視床下部にあります。間脳の視床下部では、常に血糖値を監視しており、血糖値が高いと、血糖値を下げるように指示を出し、その結果、血糖値が低くなると血糖値を上げるように指示を出します。このように、最終的な結果が、はたらきを調節するおおもとに戻って作用することをフィードバック調節と言います。

 

血糖値調節の全体像

f:id:shimasensei:20180310085345j:plain

 それでは、血糖値調節の全体像を確認しましょう。

 まず、血糖値が高い時に着目しましょう。血糖値が高いという情報が間脳の視床下部で感知されると、間脳の視床下部では、副交感神経を通じて、すい臓に指示を出します。指示を受けたすい臓は、インスリンというホルモンを作り、分泌します。すると、肝臓や筋肉に血液中のグルコースが取り込まれ、グリコーゲンが合成されます。このはたらきによって血糖値が下がるのです。

 次に、血糖値が低い時に着目しましょう。血糖値が低いという情報が間脳の視床下部で感知されると、間脳の視床下部では、交感神経を通じて、すい臓副腎髄質に指示を出します。指示を受けたすい臓は、グルカゴンというホルモンを作り、分泌します。副腎髄質ではアドレナリンというホルモンを作り、分泌します。すると、肝臓や筋肉に取り込まれていたグリコーゲンが分解され、血液中にグルコースとして放出されるため、血糖値は上がるのです

 一方、視床下部では同時に脳下垂体にも指示を出し、副腎皮質刺激ホルモンを作らせます。副腎皮質刺激ホルモンは副腎皮質に作用します。副腎皮質では副腎皮質刺激ホルモンの指令を受け、糖質コルチコイドというホルモンを作り、分泌します。すると、筋肉などのタンパク質が分解され、糖が作られます。これが血液中に分泌され、血糖値が上がるのです

 このように、血糖値はフィードバック調節によって一定の範囲に保たれるのです。

f:id:shimasensei:20180310085943j:plain

 

 どうして血糖値は一定の値になるように調節されているのでしょうか。

 血糖値が低くなりすぎると、脳の機能が低下したり、全身の震えが起こります。さらに低下すると、意識障害が起こります。

 血糖値が高くなりすぎると、糖尿病になります。糖尿病とは、取り込んだグルコースが尿に含まれたまま捨てられてしまう病気です。血液中に糖分が多くなりすぎると、血管や臓器などに傷をつけてしまい、機能を低下させたり様々な障害が起こるなどの合併症が生じます。

 血糖値は高すぎても低すぎてもいけないのです。

 

 以上です。お疲れ様でした。