偏差値30からの生物基礎まとめ

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脳死と植物状態 【第20回】意識的・無意識的な反応

意識的・無意識的な反応

 前回まで、恒常性に関わる器官である心臓や肝臓、腎臓などの各器官のはたらきについて学んできました。

 それでは、外部からの刺激や体内環境の変化の情報はどこで認識され、どのようにして体の各器官に伝えられているのでしょうか。今回は、意識的に行われる反応と無意識で起こる反応に着目し、体内で情報が伝わる仕組みを見ていきましょう。

 

 

 

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意識的な反応と無意識的な反応

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 例えば、投げられたボールに対して、バットを「振るのか」「振らないのか」という判断は意識的に行われます。一方で、運動などで、汗をかいたり、心拍数が増加するのは無意識的に起こる反応です。

 このような意識的な反応と無意識的な反応は、体のどの部分で制御されているのでしょうか

 

意識的な反応に関わる大脳

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 意識的な反応の例としてあげた、バッターの反応について考えましょう。ボールが向かってくるという情報を捉えたのはですが、それを認識したのは大脳です。大脳は、外部からの刺激を認識判断し、それに対する反応の指示を出すはたらきがあります。また、様々なことを考えたり、感じたり、喜怒哀楽の感情といった精神活動なども行っています。

 つまり、意識的な反応に関わっているのは大脳です。

 

無意識的な反応に関わる脳幹

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 脳の断面図を見てみましょう。大脳の内側には、間脳中脳、そしてそこから伸びる延髄があります。これら3つを合わせて脳幹と言います。

 無意識的な反応の例としてあげた、発汗や心拍数増加の反応は脳幹で調節されていますをかくのは、間脳が体温の上昇を感知し、汗腺に汗をかけと指示したからです。心拍数が上昇したのは、延髄からの心臓に対する指示の結果です。外呼吸の中枢も延髄にあります。中脳では、光の刺激に対して瞳孔(ひとみ)の大きさを調節するなどのはたらきがあります。

 このように、体内環境の変化を感知し、無意識に調節を行っているのは主に脳幹です。

 

参考)脳死植物状態

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 脳全体の機能が停止すると、意識的な反応も、無意識的な調節も行うことができなくなります。そのため、呼吸や心臓の拍動も止まり、死んでしまいます。このような状態を脳死と言います。脳死では、人工呼吸器によって、心臓を動かし続けることしかできません。

 一方で、大脳の機能が停止しても、呼吸や心臓の拍動に関わる脳幹(間脳・中脳・延髄)が機能している場合、自発的に心臓の拍動調節や呼吸ができます。このような状態を植物状態と言います。

 臓器移植を行う場合には、脳死判定をする必要があります。臓器移植法という法律では、臓器提供を行う場合に限り、脳死をヒトの死としています。しかし、脳死をヒトの死とするかどうかは現在も様々な議論がされているところです。

 

神経細胞

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 情報や指令を伝える役割を持つのは神経です。神経は神経細胞(ニューロン)がたくさん集まってできており、脳などと各器官を結んでいます。

 

神経系

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 目や耳などから得た情報は、神経を通って脳に伝わります。また、脳からの指令も、神経を通って内臓や、手足の筋肉などに伝えられます

 左側の図は、体の中にある神経を描いたもので、神経の集まりを神経系と言います。神経系は大きく2つに分けられています。脊髄など、司令塔としてはたらく神経系は中枢神経系と言い、中枢神経系と体の各部を結ぶ神経系は末梢神経系と言います。

 末梢神経系はさらに2つに分けられ、ものを見たり聞いたり、掴んだりなどの意識的な反応に関わる神経系は性神経系と呼ばれるのに対し、発汗や心拍数の調節などの無意識に調節される反応は自律神経系と呼ばれます。

 

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以上です。お疲れ様でした。