偏差値30からの生物基礎まとめ

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腎臓のはたらきを解説したらコーヒーが飲みたくなった 【第19回】腎臓のはたらき

腎臓のはたらき

 前回は、体の化学工場ともよばれ、様々な化学反応に関わっている肝臓について学習しました。

 今回は、肝臓とともにとても重要という意味の「肝心(腎)」などの言葉にも使われ、尿生成や体液の濃度を一定に保つはたらきに関わる、腎臓のつくりとはたらきについて見ていきましょう。

 

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腎臓の構造

腎臓の形態的特徴

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 腎臓は横隔膜の下の背側に左右1対あり、握りこぶしほどの大きさです。ソラマメのような形をしています。

 

腎臓につながる管

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 腎臓では、動脈静脈の他に、輸尿管というぼうこうへ尿を運ぶ管がついています。腎臓は、血液中の老廃物を排出する器官です。腎動脈から腎臓に老廃物の多い血液が入り腎静脈から出ていくときには老廃物の少ない血液となっています。腎臓で血液中の老廃物尿として取り出され、輸尿管を通ってぼうこうへ運ばれオシッコになります

 

腎臓の構成単位

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 腎臓は、腎単位(ネフロン)という構造がたくさん集まってできています。これは尿を生成する単位構造で、腎臓に100万個ほどあると言われます。

 図は腎単位を拡大して描いたものです。腎臓に酸素を運ぶ腎動脈は毛細血管となります。この毛細血管が毛糸玉のように丸まった構造が糸球体です。そして、その糸球体を囲んでいる部分がボーマンのうです。糸球体ボーマンのうを合わせて腎小体と言います。そして、ボーマンのうから伸びる管を細尿管と言います。

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腎臓のはたらき

腎臓のはたらき

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 腎臓は、尿生成によって、水分や塩分濃度を調節し、老廃物を排出する器官です。

 

尿生成の過程

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 腎臓のはたらきはネフロンのはたらきと言えます。図は、ネフロンを示しています。上の管は血管を、下の管は細尿管を示しています。

 ネフロンでは、ろ過再吸収という2つのはたらきが行われています。ろ過は糸球体で行われ、再吸収は細尿管で行われます。具体的に見ていきましょう。

 

①ろ過

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 例えば、コーヒーを淹れる時にはフィルターを使用します。これは、固体であるコーヒー豆と、コーヒー豆からお湯に抽出されたコーヒーの成分を分けるためのものです。フィルターには目には見えない小さい穴が空いていて、その穴を通ることができる液体は下に流れていき、その穴を通ることができない固体はフィルターに残ります。このように、ろ過とは、固体と液体を分ける方法のことです。

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 腎動脈から流れてきた血液が、糸球体からボーマンのうへ「ろ過」され、細尿管へ流れていきます。この時、血液の中の血球やタンパク質は大きな物質なためろ過されず、血管内に残ります。一方で、液体成分の多く、例えば水分や老廃物やグルコースなどは分子が小さいため、ろ過されます。このようにしてできたものを原尿と言います。

 

②再吸収

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 糸球体でろ過されてできた原尿は、細尿管の周りの毛細血管に「再吸収」されます。再吸収されなかったものが尿として捨てられます。再吸収とは、原尿のうち、体にとって必要なものを血管に戻して再利用するはたらきのことです。例えば老廃物は不要なものなので再吸収されませんが、グルコースは細胞のエネルギー源となる大切な物質なので、グルコースは全て再吸収されます

 

再吸収による尿量の調節

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 再吸収されるのはグルコースだけではありません。原尿は1日あたりおよそ170L作られますが、実際に排出される尿は1~2Lです。つまり、腎臓で作られた原尿の成分のうちほとんどは再吸収されているのです。

 例えば、水をたくさん飲みすぎると体液の濃度は薄くなりますが、逆に汗をたくさんかくと体液の濃度は濃くなります。それを防ぐために腎臓では水や塩類の再吸収量を調節しているのです。

 水分を摂りすぎて体液の水分量が多くなると、水の再吸収が抑制されます。その結果、薄くて大量の尿が作られます。一方、汗をたくさんかくなどして体液の水分量や塩分量が少なくなると、水や塩分の再吸収が促進されて、濃くて少量の尿が作られます

 

 実は、体液の濃度を調節するおおもとは脳です。脳では、バソプレシンというホルモンを分泌し、再吸収の量を調節しています。体液の濃度が濃くなると、脳がそれを感知して、バソプレシンの分泌量を増やします。そうすると腎臓では水の再吸収量を増やし、体液濃度を薄めます。一方で、体液の濃度が薄くなると、脳がそれを感知してバソプレシンの分泌量を減らします。すると腎臓では、水の再吸収量を減らし、体液濃度が濃くなります。このような仕組みで体液の濃度が一定に保たれているのです。

 

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以上です。お疲れ様でした。