偏差値30からの生物基礎まとめ

生物基礎の解説を行いながら、高校生、受験生の学習をサポートするブログです。丁寧に解説しているので学び直しや初学者にも最適です。

あなたのウンコは何色? 【第18回】肝臓のはたらき

肝臓の構造

 前回は、血液を全身に運ぶ心臓や血管について学習しました。血液の循環は、体循環と肺循環の2つに分けられています。そのため、心臓は2心房2心室からなりました。血管の名称と血液の名称の違いについても触れました。

 今回は、とても重要という意味の「肝心(腎)」などの言葉にも使われ、体の化学工場ともよばれる、肝臓のつくりとはたらきについて見ていきましょう。

 

f:id:shimasensei:20180306180013j:plain

肝臓の構造

肝臓の形態的特徴

f:id:shimasensei:20180306180107j:plain

 肝臓はやや右側の肺の下にあり、大きさは内臓の中で最も大きく、成人男性で1.5kg程度あります。血液がたくさん含まれるため、暗赤褐色をしています。

 

肝臓につながる血管と胆のう

f:id:shimasensei:20180306180205j:plain

 通常の器官には動脈と静脈の2つの血管が通っていますが、肝臓では、他の器官とは異なり、3つの血管が繋がっています。1つ目は肝動脈といい、肝臓に酸素を運ぶ役割があります。2つ目は肝静脈で、肝臓から出ていく血液が通ります。3つ目は肝門脈いい、胃や小腸で消化・吸収された栄養分を肝臓に運び込む血管です。門脈というのは毛細血管と毛細血管に挟まれた血管のことです。胃や小腸で吸収された血液はまず肝臓に運ばれてくるのです。

 そして、肝臓には胆のうという袋のような構造があり、ここには、肝臓で作られた胆汁が一時的に貯蔵されています。胆汁は肝臓内で分解されたもののうち、水に溶けにくいものが含まれています。

 

肝臓の構成単位

f:id:shimasensei:20180306180151j:plain

 肝臓は、肝小葉という構造がたくさん集まってできています。直径が1mmほどの大きさで、肝臓に50万個ほどあると言われます。

 図は肝小葉を拡大して描いたものです。肝臓に酸素を運ぶ肝動脈と栄養素を運んできた肝門脈は、肝小葉で合流します。そして、肝臓の細胞である肝細胞と物質のやりとりをしながら、中心静脈へ向かって流れていきます

 

肝臓のはたらき

肝臓のはたらき

f:id:shimasensei:20180306180233j:plain

 肝臓は、酸素や栄養素を受け取り、肝細胞で作ったものを血液中に渡す役割をしています。肝臓では500以上の化学反応が行われているため、体の化学工場などとよばれます。その働きは、血しょう成分の調節と、老廃物の排出に分けられます。

 今回は、具体的に5つのはたらき①血糖値の調節、②タンパク質の合成、③尿素の合成、④胆汁の合成、⑤解毒作用に着目して見ましょう。

 

①血糖値の調節

f:id:shimasensei:20180306180306j:plain

 血糖値とは、血液の中のグルコース(ブドウ糖)の量のことです。例えば、ごはんやパンの中には、デンプンという物質が入っています。これは胃や小腸で分解され、グルコースという物質として血液中に取り込まれます。取り込まれたグルコースは肝門脈を通って肝臓に運ばれます。肝臓では、血液中にグルコースが多くなると、グルコースからグリコーゲンという物質を合成して貯蔵します

 グルコースは細胞のエネルギー源として大切な物質なので、常に血液中に存在していなければなりません。ご飯を食べてから時間が経つと、血液中にグルコースが少なくなってきます。そのような時には、肝臓に貯蔵されていたグリコーゲンが分解され、再び血液中にグルコースとして放出されるのです。

 

②タンパク質の合成・分泌

f:id:shimasensei:20180306180322j:plain

 肝臓では、アルブミンなど、血液中に欠かせないタンパク質を合成し、分泌する役割があります。アルブミンは血しょう中のタンパク質の6割を占め、様々な物質と結合して運搬するはたらきがあります。

 

尿素の合成

f:id:shimasensei:20180306180336j:plain

 タンパク質が分解されると、体にとって有害なアンモニアという物質ができます。肝臓では、有害なアンモニアから無害な尿素を合成します。尿素は、腎臓で尿として排出されます。

 

④胆汁の生成

f:id:shimasensei:20180306180349j:plain

 胆汁は、赤血球が破壊されて生じるビリルビンという物質などから作られ、胆のうに蓄えられます。胆汁は、十二指腸に分泌され、脂肪の分解を助けるはたらきがあります。

 ちなみに、胆汁内のビリルビンはもともと黄色っぽい色をしていますが、腸内細菌によってウロビリンという茶色い物質に変換されます。これがウンコが茶色い理由です。

 

⑤解毒作用

f:id:shimasensei:20180306180441j:plain

 例えばお酒の中に含まれるアルコールは「酔い」の原因となる有害な物質です。肝臓ではこれを、アセトアルデヒトという物質に分解しますが、これも「二日酔い」の原因になる物質です。そこでさらに酢酸に分解し、最終的には二酸化炭素として排出します。

 このように、肝臓で、体に有害な物質を分解したり、無害な物質に変えることを解毒作用と言います。

f:id:shimasensei:20180306180429j:plain

 

以上です。お疲れ様でした。