偏差値30からの生物基礎まとめ

生物基礎の解説を行いながら、高校生、受験生の学習をサポートするブログです。丁寧に解説しているので学び直しや初学者にも最適です。

心臓に出口と入口が2つずつあるのはどうしてか 【第17回】体液の循環

体液の循環

 前回は、血液のはたらきについて学習しました。血液の半分は液体成分の血しょうで、様々な物質を溶かして全身に運ぶ役割をもちました。もう半分は有形成分で、赤血球白血球血小板があり、それぞれ、酸素を運ぶ役割、病原体を排除する役割、血液を固める役割がありました。

 今回は、その血液を全身に運ぶ心臓や血管に着目しましょう。

 

f:id:shimasensei:20180305183705j:plain

 

心臓の構造

f:id:shimasensei:20180305183736j:plain

 あなたは灯油ポンプを使ったことがありますか。ポンプには入口と出口がそれぞれ一つずつついていて、入口を灯油缶に差し込み、出口をファンヒーターの灯油タンクに入れて使います。このようにポンプには入口と出口が一つずつついているのが普通です。

 一方で、心臓はどうでしょうか。心臓は4つの部屋に別れていて、それぞれ右心房心室左心房心室と言います。このように、我々哺乳類や鳥類の心臓は2心房2心室からなります。ちなみに、魚類は1心房1心室、両生類や爬虫類は2心房1心室からなります。

 そしてこの心臓は、血液を送り出すポンプの役割をしているのですが、哺乳類や鳥類の場合、心臓には血液の入口が2ヶ所、出口も2ヶ所あります。ちょうど灯油ポンプを2つ重ねたような形をしているのですが、これはどうしてでしょうか。 

心臓のはたらき

f:id:shimasensei:20180305183842j:plain

 実は、心臓から出る血液の通り道は大きく2つあります。一つは体循環といい、栄養分や酸素を身体中に運び、老廃物を回収するのが目的です。もう一つは肺循環といい、肺で組織から受け取った二酸化炭素を排出し、酸素を取り込むのが目的です。

 魚類や両生類、爬虫類は、心室が1つずつしかないため、酸素を多く含む動脈血酸素が少ない静脈血が混ざってしまいます。一方で、血液の入口と出口を2つずつ持ち、心室を2つに分けたことによって、哺乳類や鳥類は、動脈血と静脈血が混ざらないように進化したのです。

 

血管の構造

f:id:shimasensei:20180305183941j:plain

 血管には大きく、動脈静脈、そして毛細血管の3つがあります。毛細血管と毛細血管をつなぐ血管を門脈と言いますが、これは後で学習します。

 ①動脈は、心臓から送り出される血液が通る血管なので、高い血圧に耐えられるように層が厚くなっています。一方、②静脈は、心臓に戻ってくる血液が通る血管なので、血液の逆流を防ぐため、が付いています。③細胞の周りに網目のように通う細い血管である毛細血管は、各細胞に栄養を届け、老廃物を受け取るために、血しょうが漏れ出しやすい構造をしています(血管から漏れ出した血しょうは組織液と呼ばれることは以前学習しましたね)。

 ところで先ほど、血液の名称は、酸素を多く含む動脈血酸素が少ない静脈血酸素の量で言い分けていましたが、血管は、血液が心臓から出ていく時に通るのが動脈で、戻ってくる時に通るのが静脈です。これによって、ちょっと紛らわしいことが起こります。

 

心臓のはたらきの全体像

f:id:shimasensei:20180305184451j:plain

 体循環肺循環について、図に示しました。酸素が多い血液は赤酸素が少ない血液は青で描いています。

 体循環では、酸素の多い動脈血動脈を通り、全身に運ばれ、酸素の少ない静脈血静脈を通り心臓に戻ってきます。

 一方、肺循環では心臓から出ていく血液は酸素が少ない静脈血ですが、心臓から出る血管は動脈なので、静脈血動脈を通ることになります。これが肺で酸素を受け取り、心臓に戻ってくる血液は動脈血となっていますが、通る血管は戻る血管なので静脈ということになります。

 動脈と静脈、動脈血と静脈血、ぜひマスターしてください。

f:id:shimasensei:20180305184510j:plain

 

以上です。お疲れ様でした。