偏差値30からの生物基礎まとめ

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あなたのオシッコは何色? 【第16回】血液のはたらき

血液のはたらき

 前回は、体内環境とは何か確認しました。そして体内環境を一定の状態に保つはたらきを恒常性(ホメオスタシス)と言いました。そして体内環境とは体液のことで、体液には、血液組織液リンパ液の3種類があることを学びました。

 今回は血液のはたらきに着目しましょう。

 

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⑴血液のはたらき

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血液成分

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 あなたの血液は何色ですか。もちろん赤ですよね。ではなぜ赤なのでしょう。血液にはいろいろな成分が含まれていますが、赤い色をしているのは、赤血球という細胞です。細胞から作られている成分には、他にも白血球血小板などがあります。と言っても、全てが液体なわけではなく、中には細胞でできている成分(有形成分)が含まれているんですね。その割合は血液中の約半分の45%です

 残りの半分(55%)は液体成分で、これは血しょうと呼ばれます。

 実は、血液の液体成分である血しょうは薄い黄色です。朝一番に出るおしっこの色は黄色い色をしていますが、これは血液の血しょう成分の色と関係しています。

 

血液成分のはたらき

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 では、血液成分のはたらきを見てみましょう。まず、①液体成分の血しょうですが、血しょうの中には栄養分や老廃物などの様々な物質が溶け込んでいます。血しょうは、これらの栄養分を全身に届け、老廃物を受け取る役割があります。

 次に有形成分を見ていきましょう。赤血球は、細胞内にヘモグロビンというタンパク質を含み、ここに酸素をくっつけて全身に運ぶ役割を持ちます。白血球は、細胞内を巡回し、体内に侵入した病原体を排除する免疫に関わっています。血小板は血管に傷がついてしまった時に血液を固めて血管の傷を修復するはたらき(血液凝固)に関わっています。

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⑵ヘモグロビン

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ヘモグロビン

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 赤血球の中にあるヘモグロビンの役割を見てみましょう。ヘモグロビンは赤血球の中にある、鉄分を含むタンパク質で、酸素と結びつく性質があります。このため、赤血球は酸素を運ぶことができるのです。 

 

酸素ヘモグロビン

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 そして、酸素と結合したヘモグロビンのことを酸素ヘモグロビンと言います。ヘモグロビンは、酸素が多いなどで酸素と結合し、酸素ヘモグロビンになります。酸素ヘモグロビンの色は鮮紅色をしています。

 一方で、体内の細胞の集まりである組織では常に呼吸が行われているため、酸素が足りない状態になっています。組織のように酸素が少ない場所では、酸素ヘモグロビンは酸素を離して組織の細胞に渡します酸素と分離した酸素ヘモグロビンは再びヘモグロビンへ戻ります。ヘモグロビンは暗赤色をしています。

 血液検査をする時には注射によって採血をしますが、この時、思っているよりも血液の色が黒っぽい色をしているなと思ったことはありませんか。これは血液が濃いためではなく、組織で酸素を離した後のへモグロビンが含まれている血液を採取しているからです。これから酸素を運ぼうとしている血液をとってしまったら細胞が酸欠になってしまいますからね。

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⑶血液凝固

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血液凝固

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 ところで、体内に血液はどれくらい入っているのでしょうか。おおよその目安ですが、体重の8%(1/13)程度と言われています。例えば、体重が60kgのヒトの場合だと、約5Lくらいということになります。

 では、この血液のうち、どれくらいが失血すると生命に危険なのでしょうか。これも目安ですが、全血液のうち、30%(1/3)程度を失うと、生命の危険があり、50%(1/2)以上失うと心肺停止によって失血死してしまうと言われています。体重60kgのヒトであれば、およそ2.5L失血してしまうと、失血死してしまうことになります。

 このように、血液は生命を維持する上で非常に大切なものです。そのため、血管に傷がついて失血してしまうのを防ぐための仕組みが発達しています。

 血小板などのはたらきで血液が固まることを血液凝固と言います。血液凝固の流れを見てみましょう。まず①血管の傷口に血小板が集合します。血小板は血液凝固因子を放出して、血液内の成分に働きかけます。すると、フィブリンという繊維状のタンパク質が合成されます。③フィブリンは、血液中の赤血球や白血球などを絡め取り、血ぺいという塊を作ります。これによって傷口が塞がれて血液が固まるのです。

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 そういえば、オシッコの色ですが、実はそれにも赤血球が関わっています。赤血球は作られてからおよそ3~4ヶ月で寿命となり、分解されます。この時、赤血球内のヘモグロビンも一緒に分解されます。これが分解されると胆汁の成分であるビリルビンという黄色い物質に変換されます。これが小腸でウロビリノーゲンという物質に変換され、血液中に再吸収されます。この後で腎臓で尿として排出されるため、血液中の血しょうやオシッコは黄色い色をしているのです。

 ちなみに、ビタミン剤などのサプリメントを摂取した後にも、濃い黄色のオシッコが出ます。あれはビタミンB2(リボフラビン)という物質が黄色いためです。ビタミンも含めて、栄養素は体内に吸収できる限界の量が決まっていますが、サプリメント (特にビタミン剤)の中には、その限界量の50倍~100倍量のビタミンB2が含まれています。そのため、吸収されなかったほとんどのビタミンB2は、尿として捨てられてしまうわけです。ビタミン剤などのサプリメントが大好きな欧米人は「世界で一番高いオシッコをしている」とか「金を便器に捨てるようなもんだ」などと揶揄されることがありますが、みなさんはどう考えますか。

 

以上です。お疲れ様でした。