偏差値30からの生物基礎まとめ

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生体内で最も種類が多い物質、タンパク質 【第12回】タンパク質と核酸

タンパク質と核酸

 前回は、DNAの複製と分配について学習しました。DNAは間期に正確に複製され、分裂期に各娘細胞に等しく分配されました。この間期から分裂期までの過程を細胞周期といいました。そして、DNAは、塩基の相補性をもとに、正確に複製されていることがわかりました。

 中学校では、遺伝子によって生物の形質が決まることを学びましたね。実は、生物の形質は、主にタンパク質によって形作られています。今回は、タンパク質がどのような物質なのか、さらに、タンパク質が合成される過程で重要な役割を果たす物質で、核酸の一種であるRNAという物質について確認しましょう。

 

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⑴タンパク質

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復習)ヒトの細胞を構成する成分

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 以前、ヒトの細胞を構成する成分について確認しました。構成成分の中で最も多いものはでおよそ60%を占めていました。その他にもタンパク質が約20%、残りの約20%が脂質、核酸、炭水化物、無機物などで構成されていました。

 水分を除くと、全体の半分がタンパク質ということになります。

 

タンパク質のはたらき

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 図に、タンパク質のはたらきの例を示しました。タンパク質のはたらきは、酵素としてはたらいたり、体の構造を作ったり、非常に多様であることが分かります。

 タンパク質は、生物の体内で最も種類が多く、ヒトの体の中にはおよそ10万種類あると言われています。

 

タンパク質の構造

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 タンパク質を構成する物質を確認していきましょう。タンパク質を分解すると、アミノ酸という物質になります。タンパク質をつくるアミノ酸は全部で20種類あり、タンパク質はこのアミノ酸が多数繋がった構造をしています。

 例えば、赤血球に含まれ、酸素を運ぶ役割を持つヘモグロビンというタンパク質は、574個のアミノ酸が一定の順番に並んで鎖状に繋がってできています。このアミノ酸の並びをアミノ酸配列と言います。

 生物の形質の違いは、タンパク質の違いによって生じており、タンパク質の違いは、このアミノ酸配列によって決定されています

 

核酸(DNAとRNA)

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RNA

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 RNARibo(リボ) nucleic(核) acid(酸)の略称です。RNAは、DNAとは異なり、1本の鎖からできています。

 RNAを構成する物質を確認していきましょう。RNAを構成する物質は、リン酸糖(リボース)塩基この3種類です。これらが結合してヌクレオチドという構造を作っています。RNAはこのヌクレオチドが多数繋がった構造をしています。

 塩基を見てみると、アデニンウラシルグアニンシトシンの4種類に分けられます。DNAと同じように、ヌクレオチドは塩基の部分が異なる4種類ができることになります。

 ここまでを見ていくと、DNAとRNAは非常によく似た構造をしていることが分かります。では、そのはたらきはどうでしょうか。DNAは遺伝情報を保持する役割を持ちましたが、RNAは、DNAの遺伝情報を解読する時にはたらく物質ということができます。そのはたらきによってmRNA、tRNA、rRNAの3種類に分けられます。

 

DNAとRNAの違い

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 DNAとRNAは共にヌクレオチドを構成単位とする核酸と呼ばれる物質でしたが、異なる点もいくつかあります。ではそれぞれ、相違点を確認していきましょう。

 まず、名称ですが、DNAはデオキシリボ核酸RNAはリボ核酸です。この名称の違いは、ヌクレオチドの「糖」の種類の違いによりますDNAに用いられる糖はデオキシリボースであるのに対し、RNAに用いられるのはリボースという糖です。

 次に、塩基の種類です。DNAではアデニン(A)、チミン(T)、グアニン(G)、シトシン(C)の4種ですが、RNAでは、アデニン(A)、ウラシル(U)、グアニン(G)、シトシン(C)の4種です。DNAのチミン(T)の代わりに、RNAではウラシル(U)が用いられています塩基の相補性については、ウラシル(U)はチミン(T)と同様にアデニン(A)と結合する性質を持っています。

 最後に、構造については、DNAは2本の鎖からなる二重らせん構造であるのに対し、RNAは1本の鎖からなります。

 このように、DNAとRNAにはいくつかの相違点があります。次回、DNAの遺伝情報からタンパク質が合成される過程を見ていきますが、この時これらの相違点を理解していないと、つまずく原因となります。きちんと確認して、次回に備えてください。

 

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以上です。お疲れ様でした。