偏差値30からの生物基礎まとめ

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細胞は分裂していないときに何をしているのか 【第11回】DNAの複製と分配

DNAの複製と分配

 前回は、DNAの中にはどれほどの遺伝情報が書かれているのか、また、ゲノムという言葉がどのような意味を持つのか解説しました。ヒトは、1つの受精卵から始まり、細胞分裂を繰り返して、大人になるまでに細胞の数は60兆個まで増加します。受精卵の中に入っているDNAはどのように複製され、どのように分配されるのでしょうか。今回は、DNAの複製と分配について確認していきましょう。

 

細胞周期

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細胞分裂とDNAの複製

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 細胞分裂の過程を図に示しました。分裂前の細胞を母細胞分裂後の細胞を娘細胞と言います。母細胞では、細胞分裂の前に、娘細胞に等しくDNAを分配するために、DNAを正確に複製します。よって、分裂後の娘細胞には、母細胞と全く同じDNAが分配されることになります。

 このことからわかるように、細胞が筋肉の細胞や神経の細胞、皮膚の細胞などに種類が分かれても、全ての細胞には同じDNAが入っているのです。

 

間期と分裂期

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 細胞は分裂する前に、DNAの複製など様々な準備が必要になります。このように、分裂の準備をする期間を間期と言い、実際に分裂が始まってから終わるまでを分裂期と言います。

 

細胞周期

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 そして、間期から分裂期までの一連の過程を細胞周期と言います。

 

間期の過程

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 それでは、間期にはどのようなことが行われているのでしょうか。間期は、G1期、S期、G2と3つの期間に分けられます。

 ①G1「DNA合成準備期」と呼ばれ、DNAの合成の準備が行われます。②S期「DNA合成期」と呼ばれ、DNAが複製されます。③G2「分裂準備期」と呼ばれ、細胞分裂の準備が行われます。

 

分裂期の過程

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 次に分裂期の過程を見てみましょう。分裂期は、前期、中期、後期、終期の4つの期間に分けられます。

 ①前期には、染色体が現れ、核膜が消えます。②中期には、染色体が細胞の中央(赤道面と呼ばれる)に並びます。③後期には、それぞれの染色体が分かれて、両極に移動していきます。④終期には、染色体が細くなり、核膜が現れます。この後、動物細胞の場合にはくびれができて細胞が2つに分かれ、植物細胞の場合には、細胞の中央に細胞板という仕切りができて2つに分かれます。

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DNAの塩基配列の複製

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復習)DNAの構造の特徴

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 ①二重らせん構造である。DNAはヌクレオチドが繋がった鎖が2本並んでいて、塩基同士が結合していました。②ヌクレオチドのうち、リン酸と糖(デオキシリボース)はどのヌクレオチドでも共通だが、塩基の並び(塩基配列)は、生物によって多様である。この塩基配列が遺伝情報をもつことを思い出してください。③塩基には相補性がある。相補性とはAはTと、GはCと必ずペアになって塩基対を形成します。

 これらの性質が、DNAの複製の鍵を握っています。

  

DNAの塩基配列の複製

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 では、実際にDNAがどのようにして正確に複製されるのかみていきましょう。図の左側を見てください。複製前のDNAを、塩基配列がわかりやすいようにハシゴのように描いてあります。リン酸と糖の部分は共通なので省略しています

 DNAが複製される時には、まず、酵素のはたらきによって、塩基同士の結合が切れます

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 次に、塩基の相補性に従って、ヌクレオチドが繋がっていきますAの塩基にはTの塩基をもつヌクレオチドが結合します。逆に、Tの塩基にはAの塩基をもつヌクレオチドが結合します。

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 同じようにGにはCが、CにはGが結合し、DNAが複製されました。

 このように、塩基の相補性をもとに、DNAは正確に複製されているのです。

 

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以上です。お疲れ様でした。