偏差値30からの生物基礎まとめ

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有酸素運動で脂肪を燃焼…なぜ燃焼!? 【第6回】呼吸

呼吸

 前回、エネルギーの出入りに着目して、同化の例である光合成の話をしました。今回は、異化の例である呼吸について、エネルギーの出入りに着目しながら見て行きましょう。

 

 

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外呼吸と細胞呼吸

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 皆さんは今、呼吸をしていますか。当然していますよね。「息を吸って、吐く」これは、図の左側のように、酸素を取り入れて、二酸化炭素を排出するために行っています。では、血液中に取り込まれた酸素は、その後どうなるのでしょうか。

 実は、「呼吸」という言葉には、2つの意味があります。先ほどの例であげた肺で行われる呼吸は「外呼吸」と呼ばれます。一方、図の右側のように、肺で取り込まれた酸素は、細胞に届けられ、細胞でエネルギーを取り出すために使われます。このように、細胞が、酸素を用いて、有機物を分解し、エネルギーを取り出す反応のことを「細胞呼吸(内呼吸)」と言います。

 これから生物の時間に「呼吸」という言葉を聞いたら、後者の、細胞内で行われる「細胞呼吸」のことを言っているのだと考えてください。

 

呼吸の反応

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 エネルギーに着目しながら、呼吸の反応を見ていきましょう。まず、①酸素を用いて、有機物二酸化炭素に分解されます。この時、有機物から化学エネルギーが放出されます。②この化学エネルギーは、エネルギーの出入りを仲介する物質であるATPに取り込まれます。そして、③ATP化学エネルギーを用いて、筋肉の運動や物を考えるなどの生命活動が行われるのです。

 

呼吸が行われる場所

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 呼吸が行われる場所について、図に示しました。酸素を用いて有機物を分解する反応は、細胞の中にあるミトコンドリアという細胞小器官で行われます。

 ミトコンドリアは、すべての真核細胞に含まれています。ですから、酸素を用いて行う呼吸は、動物だけでなく、植物原生生物も共通して行っているということです。

 図には載せていませんが、細菌などの原核生物の中にも酸素を用いた呼吸を行う生物がいます。これらは、ミトコンドリアという構造は持ちませんが、細胞全体が一つのミトコンドリアのようにはたらいて呼吸を行っています。

 

参考)燃焼と呼吸

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 呼吸では、グルコースなどの有機物を酸素を用いて水と二酸化炭素に分解するときにエネルギーが放出されました。この反応式を見て、何か思い出す反応はありませんか。実は、この反応は物を燃焼させる反応式と全く同じなのです。

 燃焼では、もともと有機物の中に蓄えられていた「化学エネルギー」が、酸素を用いて分解される過程で、瞬時に「光エネルギー」「熱エネルギー」に変換されます。燃焼の時に見られる「火」は、その時に放出された「光エネルギー」「熱エネルギー」が目に見えている状態なのです。

 一方、呼吸では、酵素のはたらきで、常温でこの化学反応が段階的に進むため、少しずつ化学エネルギーが放出されて、ATPに蓄えられていきます

 よくダイエットなどで、「有酸素運動で脂肪を燃焼させる」という表現が見られます。これは、実際に脂肪の塊に火をつけて燃焼させる反応と、細胞内で酸素を用いて脂肪という有機物を分解してエネルギーを取り出す反応が結果的に同じ反応式であることから、間違った表現ではないと言えるでしょう。

 

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 光合成と呼吸の関係についてまとめておきました。光合成光エネルギーを用いて、二酸化炭素からデンプンなどの有機物酸素を合成しました。一方の呼吸は、酸素を用いてグルコースなどの有機物二酸化炭素に分解する過程で出てきた化学エネルギーを利用しています。光合成と呼吸の反応式は真逆の反応なのです。

 ここで、光合成で合成される有機物はデンプン、呼吸で用いられる有機物はグルコースとなっていますが、次の図でデンプンとグルコースの関係を示しましたので参考にしてください。

 

参考)デンプンとグルコース

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 食物に含まれるデンプンは、消化酵素によって分解され、グルコースとなり血液中に取り込まれます。デンプンとは、グルコースが多数結合した物質のことなのです。

 

以上です。お疲れ様でした。