偏差値30からの生物基礎まとめ

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ドラえもんが生物と呼べないのはなぜ!?【第1回】生物とは何か

生物とは何か

 例えばあなたが、宇宙飛行士として火星の探索に出かけたとしましょう。宇宙船の外に出ると、何やら怪しい物体がモゾモゾ動いています。特に危険もないようなので、その物体を捕まえて火星に住む生物なのかどうか調べてみることにしました。さて、あなたはこのモゾモゾ動く謎の物体が生物であるかどうか、どうやって調べますか。どうしたらこれが生物か無生物か判断することができるのでしょうか…

 地球上には様々な生物が存在しています。今回は、生物とは一体どういうものなのか、その定義を確認していきます。

 

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⑴生物の世界

生物の多様性

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地球上にはどれくらいの種類の生物が存在するのでしょうか。

 例として、図では、上段左からヒト、イヌ、アサガオ、サクラ、キンギョ、ナナホシテントウ、シイタケ、アオカビ、コンブ、ミドリムシやゾウリムシ、大腸菌を挙げました。地球上にはたくさんの種類の生物が存在しており、これまでに190万種を超える生物がいることが確認されてきました。それぞれの生物は地球上のあらゆる環境に適応し、様々な特徴を獲得してきました。このように生物が様々な特徴を持つことを多様性と言います。

 

生物の共通性

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 地球上には様々な生物が存在する一方で、それぞれの生物には共通する特徴も見られます。共通の特徴ごとに分類すると、運動して餌を食べる動物光合成をして動かずに生活する植物体の表面から有機物を吸収して生活する菌類それらの生物よりもはるかに小さい細胞からなる細菌、そしてそれらのいずれにも当てはめるのが難しい原生生物に分けることができます。このような、生物が持つ共通の特徴共通性と言います。

生物の分類の仕方については、学者の中でも未だに様々な意見があり、決着がついていませんが、ここでは五界説を元に5つに分類しています。

 

系統樹

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 そしてこれらの生物は、38億年前に誕生したと考えられる共通の祖先から、その特徴を受け継ぎながら共通性を保持し、進化によって多様性を獲得してきました。図のように、生物の進化の道筋を樹木状の図で表したものを系統樹と言います。 

 

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⑵生物とは何か

 「ドラえもんがすぐれた技術で作られていても、生物として認められることはありません。それはなぜですか」…2013年に麻布中学校の入試問題で出題された問題が、話題となりました。

 この問題に答えるためには、我々が何を生物と呼んでいるのか、その定義を知る必要があります。ここでは5つの定義を紹介します。

 

①生物は細胞でできている

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 一つ目は、「細胞でできている」ということです。細胞とは、細胞膜で仕切られた構造で、自己と非自己を分ける境界であると言えます。動物も、植物も、細菌も、すベての生物がこの細胞という構造から成り立っています。

 

②生物はDNAをもつ

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 二つ目は、「DNAを遺伝情報として用いる」ということです。細胞の中には、DNAという物質があり、それが私たち生物の特徴を決める設計図として働いているということです。

 

③生物は代謝をおこなう

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  三つ目は、代謝を行う」ということです。代謝とは、体の中で起こる化学反応の全てを指します。化学反応の前後では、必ずエネルギーの出入りが起こります。生物は、そのエネルギーを利用して生命活動を行います生命活動としてわかりやすい例として、筋肉を動かす運動、デンキウナギの発電やホタルの発光などがあげられます。

 

④生物は子孫を残す

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 四つ目は、「子孫を残す」ということです。細胞は、細胞分裂によって自己増殖します。その延長線上には、親の形質(形や性質のこと)を子に伝える生殖があります。

 

⑤生物は体内環境を一定に保つ

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 五つ目は、「体内環境を一定に保つ」ということです。体内環境とは、体の内側にある体液の状態とも言えます。例えば、ヒトでは、夏の暑い日も、冬の寒い日も体温はおよそ36度5分になるように調節されていますね。

 

このような生物の特徴を鑑みると、ドラえもんがなぜ生物とは言えないのかが説明できます。ドラえもんはそもそも細胞という構造でできていないのです。

「すべての生物は細胞でできている」とする説を「細胞説」と言います。1838年にシュライデンが植物について、その翌年にシュワンが動物について「細胞説」を唱えました。当時日本は江戸時代、黒船が来航する少しばかり前のことです。

「細胞でできているかどうか」これこそが、生物と無生物の間の境界線であると言えます。

 

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以上です。お疲れ様でした。